島田荘司「占星術殺人事件」講談社文庫

明らかなネタばらしはしないように努めたつもりですが、 なるべくなら本編の読後にお読みください

挑戦状の段階で犯人とトリックがわかってしまったので、 「騙される心地好さ」が味わえなかったのはやや残念。 作者自らが言うように、ヒントを与え過ぎなのかもしれない。 ただし、これは作者のフェアプレーへのこだわりがなせる業とも 言える(そしてそれはそれなりに好感が持てる)ので、「だから即ダメ」 ということにはならない。 また、個人的には、過去の事件の謎解きって臨場感が薄れる感があるので どうしても評価が下がってしまう。この辺は好みの分かれるところだろう。 まあオーソドックスな本格物というところか。65点くらい?

JINMEI Tatuya / KAME Project / 吾с(Japanese)