2008/01/29: USクレジットカードget、iPhone activateへの長い道
USクレジットカードget
アメリカで暮らすのにあたっていろいろあるchicken and egg問題のうちの 大きな一つがドル建て(より正確にはアメリカのカード会社発行)の クレジットカードを入手すること。これがいかに問題かは、 ドル建て+クレジットカードとかでぐぐってみる と山ほどの関連ページにヒットすることでもわかる。 この場合のchicken and egg loopは以下の通り:
- ドル建てのカードを作るためにはアメリカでのクレジットヒストリーが必要
- →クレジットヒストリーはアメリカで借金をしてそれを返すという実績によって蓄積される
- →借金として一番安直なのはカードで買物をすることだが、そのためにはドル建てのカードが必要(日本のカードの使用実績はカウントされない)
- →1番へ戻る
この問題の解決方法もぐぐって出てくるリンクをいろいろクリックするとわかるようにいくつかあるのだが、 今回は運がよかったのかずいぶんさっくり解決できた。手順は以下の通り:
- 日本にいるうちにAMEXのカードを作っておく。 普通の会社員ならここで断られることはないだろう。 ほんとかどうかは知らないが、年会費をけちってセゾンとかの ジョイントカードにすると後の切り替えがうまくいかないという情報もあるので、 ちゃんと本家のカードを作った方が安全だろう。
- 作ったAMEXのカードをなるべく使うように心掛ける。 当然毎回1回払いできちんと支払う。(ただしこのステップにどの程度意味があるのかは不明。)
- 渡米が近くなったら日本のカードを使うのを停止。 これは請求・支払いが済んでいない残高ができないようにするため。(ただしこれも必須かどうかは不明)
- アメリカに入国したらSSNを入手し、アパートとかのpermanent addressを確定させる(まあこれはカードを作ることとは関係なく必要だが)
- 1-800-453-2639に電話。ありがちな音声メニューがはじまるが、 何も押さずにしばらく無視していると(実際、この局面に該当するような項目はメニューの中にはない) オペレーターにつながるので、そこまで待つ。
- オペレーターが出たら、日本のカードをアメリカのAMEXにtransferしたい旨を伝える。
- オペレーターの質問に答える。 今回のケースでは、日本のカード番号、希望するカード種別、SSNと勤め先の会社の名前、年収額の目安、日本のカードを別途維持するかどうかを質問された。 SSNはまあ当然として、会社名とか年収額は必須なのかたまたま聞かれただけなのか不明 (実際、その根拠になるものをFAXしろとも言われなかったので 確かめようもないはず - それとも勤務先の名前はSSNからたぐれるようになってるのだろうか?)。ぐぐって出てくるリンクにはアメリカの 銀行口座を持っている必要があると書いてあるところもあるが、 それは今回のケースでは聞かれず。 なお、日本のカードと両方キープしておくこともその気になればできるらしい。 が、今回はその必要はないので解約してくれと伝えた。
- オペレーターがしばし確認作業をするので電話口で待つ。これでOKが出れば完了。 (おそらくこの段階で番号まで確定しているのではないかと思われる。 後知恵としては、 後々トラブった場合に備えてこのときに聞いておくべきだったという気がする。)
- 数日後、カードが郵送されてくる (どこに住んでるかによって届くまでの期間は違いそう。オペレーターに は2週間と言われていたが実際には3営業日程度で届いた)。 US AMEXのページで web accountを掘って、カード番号を入力してactivateすれば使えるようになる。 なお、日本のカードについてweb accountを持っている場合、 同じaccount名は共存できない模様。 なので違うaccountを新規に作ってそこで作業する必要がある。
- (日本のカードを解約する場合)別途日本のAMEXにも電話して念押しする、 方が安全だろう。 アメリカではこの手の事務作業の信頼度はゼロだし、 (native並みの会話能力がある人は別として) オペレーターとの英語でのやり取りの中で誤解とか漏れが生じている可能性もあるだろうから。 なお、アメリカのカードに切り替えた場合、 日本のカードの年会費の残りは月割りで返金されるらしい (ただし執筆時点では実際に入金されたことを確認するところまでは至っていない)。
というわけでめでたく届いたカードがこれ。
日本の(緑)カードは番号その他が銀色で印字されていたが、
このカードでは黒になっているあたりが目につく違いか。
AMEXのカードのいいところは、pre-set spending limitがないこと。 また当然、depositによるsecured card (これはカードのchicken-egg問題の汎用的な解決法の一つのようだ)のように人質を取られることもない。 使い初めてから10日ほどの間に合計$800程度の買物をした(一回あたりの最高額は約$400)が、 これまでのところではdeclineされた経験はない。
さて、上記の手順は後から振り返ってみて最短と思われるように整理した結果だが、 このカード切り替えについてはAMEXの担当者にもあまり知られていないのか、 それとも(何らかの不可思議な理由で)あまり大っぴらにしたくないサービスなのか、 日米問わずカスタマーサービスから返ってくる答えが一貫していない。 それに振り回されて実際には若干紆余曲折があった。
- 2007年12月に念のためと思って日本のAMEXに電話して聞いてみたら、 「切り替えはできず、新規にドル建てカードを発行するしかない」と言われた。 (当然、これではchicken and egg問題を解決できていないので、 選択肢にはなり得ない)
- 1月に入ってからダメ元でもう一度日本のAMEXに電話したら、 今度は「できるが、それに伴って日本のカードは解約になる」との回答 (日本のカードはもともと解約するつもりだったのでその点は問題ない)。 さらに、日本の窓口でも切り替えの依頼はできるが、US AMEXに直接電話 した方がプロセスが早いとのことで、 通常のカスタマーサービス(1-800-528-4800)を教えられた (が、下で述べるようにこの番号にかけても話は通らない。 その意味で教えられた情報はいま一つ不正確だといえる)。
- USカスタマーサービスに電話すると、ここでも「切り替えは無理。 新規に申し込むのではダメか?」と言われる(それができるくらいなら はじめから電話などせずにwebで申し込めば済む話だ)。 chicken and egg問題があるからそれはオプションにならないということを説明し、 日本AMEXでできると言われたから電話しているのだと食い下がったら、 しばし待たされた後にようやく上の5で書いた番号がでてきた。 なお、この番号はAMEXのwebには載っていないようだ (実際、 ぐぐってもヒットしない)。 一方、サイトを限定せずにぐぐると、 まさに同じ問題で困っている世界中の人たちが この番号を使っているらしいことがわかる。 たとえば ここのページによれば "American Express special handling unit"なのだそうだ。
- 以上を考えると、日本AMEXに電話しても手続きはできるらしいとはいうものの、 英語で話をつけるのがどうしても嫌というのでなければ"special handling unit"に直接電話するのが一番確実で早いと言えそう。
- USカードを入手した後にもう一度電話した日本AMEXでは、 最初は切り替えに伴う解約では年会費は戻ってこないと言われた。 が、結局そのあとで先方から電話がかかってきて、 AMEX内での切り替えの場合は払い戻されるとの説明に変わった。 一方、日本のカードを解約せずに持っておくことも可能とも言われた (これも最初の説明とは一貫していない)。 結局、日本での年会費は払い戻されるのか、 2つのカードを並行して持つことが可能なのかはいまのところわからないまま。
- 上記のステップ2で、 日本のカードの使用・支払い実績をある程度作っておく必要があるのかは謎。 ステップ8で何やら確認作業みたいなことをしているようなふしもうかがえるので、 このあたりで実績確認をしたりしているのかもしれないが、 今回の場合は実績といってもほんの数ヵ月、 累計で20万円ちょっとでしかないので、 信用度という点では大したことがないような気もする。
- 切り替えに際して、 日本のカードの未請求分が残っているとまずいのかどうかも不明(上記ステップ3)。 2つのカードを並行して持てるというのがほんとなら、 この部分は問題にはならないような気もするが。
それにしても、この作業がなぜこんなに大変なのか、納得いかないものがある。 日米のAMEXは一応会社としては別らしいとはいえ、 カードの情報や利用歴を共有できているのなら信用調査の役割は十分果たせるはず。 もちろん、日本での支払い実績がアメリカでのそれに直結するとはいえないだろうが、 ビザ発給が厳しい昨今、それをクリアしてSSNまで取得して滞在しているからには 経済的な状況もそれなりであるという推測はかなり成り立つだろうし、 中にはインチキな人がいるにしても、 スケールメリットで十分カバーできそうな気がするのだが。 この問題ではアメリカに来る世界中の人が困っているのだから、 それをきれいに解決するサービスを提供しているというのはむしろ大々的に 宣伝すべきことのようにも思うのにそうなってないのは実に不思議だ。
iPhone activateへの長い道
さて、無事にSSNもUSクレジットカードをgetしたので、 今度はまともな携帯電話を入手しよう、ということでPalo Alto apple storeで iPhoneを購入。自宅でiTunesにつないでさくっとactivateするだけ…と思ったのだが そこからが(少々)長かった。
まず、日本で作っていたapple accountがそのままでは使えないと言われる。 住所やカード情報をUSのものに変えてもうまくいかない。 しょうがないので新しいアカウントを掘った。 (もっとも、これはいまいちイケてないとはいうもののそれ自体大した問題ではない)
次に、カード番号やら住所やらいろいろ入力した挙げ句、 pre-approved credit checkの番号なるものが必要で、 AT&Tのストアに行けというそっけないメッセージが出て打ち切られてしまう。 月々に請求書がくるプランではなくてプリペイドにするとそのまま先に 進めそうだったが、ここまで来てそれも悔しいので近場のストアまでドライブ。 番号は、事情を説明してID(パスポート)とSSNを伝えたらさっくりもらえた。 iPhoneのハードはAT&Tストアでも買えるらしいので、こんなことなら はじめからそっちで買えばよかったと後悔。
今度こそ、と思うものの、最後にcreditを確認する、という画面が出てから 延々待たされ、ついにはiTunesが諦めて 「そのうちAT&Tから連絡のメールがいきます」というメッセージとともに 終了してしまう。で、待つこと一時間余りで届いたメールが、
With the credit information submitted, you have two options for activating wireless service. 1. You may go to an AT&T (Cingular) store and discuss requirements for obtaining monthly billing service.
というもの(ちなみに2番はプリペイドプランにしろというもので、 当然これは解にはならない)。 ということでまたまたAT&Tの代理店までドライブ。 事情を説明したら、契約には$500のdepositが必要と言われる。 もはや引き下がる気はないので近場の銀行で$20札を25枚引き出して支払った (ここではクレジットヒストリーが貧弱なのが問題と思われ、当然ながら カードで支払うのはダメと言われた)。
今度の今度こそ、と思ってもう一度iTunesに接続するも、 まだ何やらエラーメッセージが出てちゃんとactivateされない。 また電話か…と思ったが、数時間放置してもう一度試したらようやくactivateされた (storeを出てから4時間後くらい。 AT&T側のoperationに時間を要するということか?)
さらに、電話が使える状態になるまでにさらに一悶着。wifiが
すんなり使えるようになっていたので油断していたが、
試しに電話をかけてみようとするとどうもつながらない。
結局一度rebootしてiTunesにつなぎ直したらようやく
AT&Tとアンテナマークがちゃんと表示されるようになり、
電話もかけられるようになった。
というわけで、苦節2日かけてようやくここまでたどり着いた。
(左上の"AT&T"とアンテナマークに注意。
最初はここの部分が正しく表示されてなくて、
電話がかけられない状態だった)
これまで初期(初代?)のimode機を延々使い続けて世の中から三周遅れくらいになっていたが、
これでようやく世間並みになった。
電話機能のないカメラしかない生活からもようやく脱却。
これでまあ大体いいかなとは思ったが、できればそれまで使っていた Verizonのプリペイドの番号をこっちに移したい (すでにいくつかの場所に登録してしまっているので、 そのrenumberingを避けるため)。 が、これがまたさっくりとはいかず。まず、最終的にactivate手続きをした ストアで聞いたところでは、Verizon携帯から611にかけてVerizonのアカウント番号を調べろ と言われたものの、 611で出てくるメニューからはその情報が得られそうな気配がない。 しょうがないのでVerizonストアまでドライブ。account numberが知りたい、 と言って電話番号を伝えたらあっさり教えてもらえた。 今度はそれを持ってAT&Tの611に電話し、番号のtransferを依頼。 ところが、アカウント番号に加えてパスコードだがPINだかが必要と言われる。 これにまったく思い当たるものがなく、Verizonストアにもう一度ドライブしたり しつつ、結局もう一度AT&Tのストアに持ち込んで対面で相談。 試行錯誤の結果、問題のコードは番号の下4桁だということが判明。 で、ようやく望みの結果が得られた。 (ちなみに、よくよくVerizon携帯をチェックしたら、activate後に届いてい たtext messageにsecurity codeは電話番号の下4桁、としっかり書いてあった…)
最後の部分はおまけとして、 activateだけで一般のユーザがこんなに苦労してるとはとても思えないので、 やはりクレジットヒストリーの貧弱さに由来する点が大きいような気がする。 この辺はこれからもしらばらくはまるかと思うと憂鬱だ。
Email: jinmei at kame dot net
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