Aug 23

資産運用をある程度の期間していれば誰でも一度は「ドルコスト平均法には意味はあるか」という話に加わる経験があるだろう。筆者もその例に漏れず、また筆者の中ではこの話にかなりはっきりした結論が出ていて、自分の運用行動にこの議論が影響を与えることはないのだが、以前からこの件はそう単純でもなく他人に説明しようとすると結構難しいという印象を持っていた。この件に関する文献も世の中には溢れているのだが、そのどれにも今ひとつモヤモヤするものがあり、自分の中でもすっきりと納得できていない感じがあった。つい先日たまたまこの話をする何度目かの機会があったので、少し踏み込んで考えてみたところ、少なくとも自分自身への説明としてはかなりモヤモヤを晴らすことができた。以下はその理解をより深めるために書いたメモである。

用語の曖昧さなどを無視して結論的なことを先に書くならこうなる:

  • 「ドルコスト平均法」にはリスクを下げる効果はあるが、同時にリターンも下がるので、その評価は両者のバランスで議論する必要がある
  • この観点では「ドルコスト平均法」は多くの場合非合理的で、つまり「無意味」である
  • その理解の上で、自分のリスク許容度を見積もる手段として採用するのなら「ドルコスト平均法」も無意味とまではいえない

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