Jan 04

例年、正月に前年の収支を元に家計を見直して、ついでに資産運用状況も確認することにしている。過去数年は所感を思いつくままにつぶやいて終わりという感じ(去年の例)だったのだが、2017年はそれまでとかなり違う生活スタイルで丸一年過ごしたというのと、アメリカに来て丸10年経った節目でもあるので、もう少し丁寧に検討してついでにblog化することにした。
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Aug 02

(注: 同内容のものを8時間ほど前に投稿していますが、なぜか日付がおかしくていろいろ不具合があるので出し直します。前のは削除予定)

筆者の勤め先の401(k)プランは、以前はよく言って平凡、悪く言えば管理会社のカモで、言い訳程度の低コストfundが一つある以外は地雷だらけだったのだが、ここ一年くらいの間に劇的に改良され、ついにほぼ最強といえるレベルまで成長した。想像するに、昨年末あたりにprivate equityに買収されてESPPやRSUといった株式ベースのbenefitがなくなったため、他の形でのインセンティブを提供する必要ありということで401(k)プランの改善が進んだのだろう。一方、改善点は多岐にわたっていて相互に関連している部分もあり、かなり複雑であるため、きちんと使いこなすためにはそれなりの勉強が必要になりそうである。そこで、一度これらの改善点をまとめ、注意点を洗い出すとともに今後の拠出・運用戦略についても考えてみることにする。

これまでに導入された主要な改善点を列挙すると以下のようになる:

  • 雇用者拠出(company match)のTrue Up(以前書いたblog記事参照)
  • After-tax拠出とそこからのin-plan Roth conversion
  • (プランが用意するfundに限定されずに自分で自由に運用できる)brokerage option
  • 雇用者拠出の増加
  • 一部fundの(よい方向への)入れ替え

以下、それぞれの項目についてもう少し細かく考える。
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Apr 06

先ごろようやく2016年度分のtax returnを完了した。ここ2年ほど例外的なファイナンス上のイベントが続いているという個人的事情もあるのだが、作業にかかる時間も作成するフォームの枚数も年々伸びており、はじめての本格的申告だった2008年に13枚だったフォームの数は今や45枚である…。I社の妨害に負けず、何とかこの全国民(&住民)的リソースの浪費をなくすべくtax heroに頑張ってもらいたいものである(もっとも、筆者の場合は日本の金融資産というやっかいな存在があるので、仮に”ReadyReturn”が実現しても簡単には恩恵に預かれないだろうが)。

さて、以前のblog記事の通り、2016年度はunderpayment penalty回避が容易でないと予想されたため、入念な準備をしてきたのだが、tax returnが完了してその結果も判明し、無事にsafe harbor入り(penalty回避)に成功した!(ただしまだIRSやFTBに文句を言われるという可能性は残っているが)
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Feb 07

毎年憂鬱かつ莫大な生産性の浪費であるtax returnの季節到来。複雑怪奇なアメリカ税制のためにこの時期はいつも新しいモヤモヤが発生し、おかげでblogのネタにも困らないのだが、さすがに10年近くも経験を積んでそろそろネタ切れになるかと思いきや、今年も新しいモヤモヤに遭遇した。州所得税の還付があると、条件によって、かつ漫然と処理すると翌年二重課税になり兼ねないというものである。
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Jul 15

筆者の勤め先は2015年から401(k)のemployer contribution(いわゆる”company match”)をはじめたのだが、本来もらえるはずのmatchのかなりの部分をもらい損ねていたことにごく最近気がついた。筆者の金融リテラシーが低いだけで、こんなことはもしかしたら常識なのかもしれないが、万一同じ罠にはまっている(あるいはこれからはまる)人が他にもいる場合のためにここに書いておくことにする。 More… »

May 06

以前のblog記事で書いたように、underpayment penaltyを回避するための俗に言う”safe harbor”入りするために、筆者は今年分の税金(来年春に申告)をかなり精密に見積もる必要がある。これには、収入の見積もりは当然のこととして、具体的な税金の計算に必要な、税率をはじめとする細かい諸制度の理解、控除可能な金額の見積もり(ここは甘くてもsafe harbor入りのためには問題ないが、その分ムダに源泉徴収を受けることになる)など、かなり多くの情報や調査が必要である。

先ごろ2015年の税金処理が終わって一段落したので、ようやくこの問題に対処する余裕ができた。いつものことながらまったく一筋縄ではいかなかったが、いろいろ調べたり計算したりして、なんとかそれらしい税金の見積もり額、またその税金に対するsafe harbor入りのために必要な源泉徴収額の調整分を計算し、その手配をするところまで完了した。以下はその内容の詳細に関するメモである。以下、年によって額が変わる数字については、とくに断りがない限り2016年分の税金で適用される値である。
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Apr 30

数年前に新板が出たのを機にA Random Walk Down Wall Streetを再読中(といっても最初に読んだのは2002年で、かなりの部分を忘れているが)。その13章に、株式の理論長期リターンを示す以下の公式が挙げられていた:

  長期リターン = 初期配当利回り + 配当成長率

一瞬まあそんなものかと思って読み流しそうになったのだが、少しよく考えてみるとどうしてこういう計算になるのかは(筆者には)どうも自明でない。一度気になりはじめると夜も眠れないので、まじめに調べたり自分で計算してみたりして、それなりに納得のいきそうな説明にたどり着いた。以下はその記録としてのメモ。 More… »

Apr 01

最近ちょっとした調べ物をしたついでに、以前からモヤモヤしたままだった「アメリカ永住権を保持しつつ日本で数年間働くような場合の税金において日米租税条約はどう適用されるのか」という疑問について、自分なりにかなりはっきりした答えを得ることができた。詳細はかなり複雑なのだが、短く言ってしまうと、「租税条約によりアメリカの税制上非居住者扱いとすることは可能だが、手間や永住権維持上のリスクの点からおそらく取れない選択。二重課税は他の手段である程度緩和できそうなものの、アメリカ源泉所得についてはかなりの二重取られを覚悟する必要あり」が答えである。

以下はその答えに至るまでの調査結果の詳細である。いつものことながら、あくまで筆者の素人理解をまとめただけであるため、内容が正しい保証はまったくない。もしこれを読む人がいても、その内容を鵜呑みにして特定の行動を取ったり取るのをやめたりすることのないようにお願いしたい。筆者自身も、もしここで問題としている状況になったとしたら今回の理解をもとにしつつも専門家に相談するだろうし、他の人にもそれをおすすめする。

以下本題: More… »

Mar 22

筆者はふだんほとんど資産の売却をしないので、過去7回のアメリカ確定申告(tax return)において、キャピタルゲインやロスを報告する必要はほとんどなかった。せいぜいRSUやESPP関連の売却が数件ある程度で、これらについては1099-Bの内容を手入力する手間も大したことがなかったので、tax returnにおけるこれらの事務作業上の問題をあまり意識する必要はなかった(ただしRSUESPPとも、blogに書いたようにIRS規定に由来する罠はある)。しかし、2015年にはいろいろな事情が重なってかなりの件数の売却が発生したため、キャピタルゲイン・ロスについてのtax returnでの報告方法について、TaxActの操作方法も含めた実務上の細かい問題にいろいろ直面することになった。この記事はその学習結果のまとめである。

とくに重要な点をまとめておくと、

  • 取得日(date acquired)が異なる同一銘柄を同じ日にまとめて売却した場合は合算報告可能。これで事務処理をかなり軽減できる(可能性がある)
  • BasisがIRSに報告済みで、その他の修正もない場合はForm 8949での報告自体不要。これも事務処理軽減の助けになる(ただしTaxActでの操作方法はやや謎)
  • 多数の売却データをまとめてTaxActに入力するのにはCSVフォームのアップロードが便利。証券会社によってはこの形でデータをダウンロードできる場合もあるので要確認

それにしても、(今回はやや特殊要因という事情ではあるのだが)アメリカのtax returnも8回目にもなろうというのに、いまだに新しい発見が出てくることには呆れるしかないという感じである…
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Feb 02

一つ前の記事においては本題ではなかったが、”nonfunctional”通貨を”functional”通貨に変換する(たとえば日本円を米ドルに替える)行為はCFR 1.988-1(a)(1)(i)の”disposition of nonfunctional currency”に相当するため、”section 988 transaction”であり、この両替の時点でexchange gain/lossが実現されて該当年の課税対象となる。たとえば、CFR 1.988-1(a)(6)Example 2には、カナダドルを米ドルに替える操作におけるカナダドルの”disposition”がsection 988 transactionであるという例が示されている。
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