あるデジイチ初心者の記録(v2.0)

去る6月30日で、5年半勤めたInternet Systems Consortiumを退職しました。この7月からはやはりシリコンバレーにある某企業で、やはりソフトウェアエンジニアとして働いてますが、今度はごく普通の営利企業です。

ISCの仕事や職場環境は気に入っていたし、まだまだやれることややりたいことも残っていたけど、居心地の良さに安住するうちに成長が止まっていることに気が付けなくなるリスクもあることはとくにこの1年くらい意識するようになっていました。新しい会社からのofferをもらったときは、(offer自体は悪くないと思ったものの)正直まだ転職は早いかもとも思いましたが、小心かつ優柔不断な自分の性格からして先伸ばしするとずるずる数年というのもあり得る(大きな不満がなければなおさら)こと、売り手市場のシリコンバレーといえども望んだときにいつでもすんなり採用されるほど甘くはないだろうということ、年齢的に今後の仕事人生を模索するための時間にそんなに余裕があるわけではないこと、などを総合的に考えて決断しました。

いままでの仕事(ISC以前も含め)はかなり自由度が高かっただけに、どっぷり商用製品開発な新しい職場にどれだけ順応できるか不安もあるのですが、そういう適性を見極めること自体にも意味があると思っています。

最大の心残りは、まだ発展途上だったBIND 10プロジェクトから去らなければいけないことでした。多いとはいえない開発リソースをさらに減らすとこになるのも非常に心苦しかったのですが、現時点での完成度と今後の方向性からすれば、現存のメンバー(+今後雇われるであろう開発者)で発展させていってくれると判断しました。今後は一ユーザとしてBIND 10を見守るつもりです。

ちなみに: この1年くらいの間に、組織としてのISCにもいろいろ大きな変化があり、業界の一部ではいろいろ議論を巻き起こしていたようです。そういう中で転職すると、それが原因で辞めたのではないかと思われそうですが、自分の進路についてあれこれ考えていたのとたまたま同じ時期に組織上の変化も起きていたということで、両者はまったく無関係です。もし、勤めてまだ3年程度だったり、もう少し若かったり(逆に引退直前でこの先の進路で悩む必要もなかったり)してれば、転職はまったく考えていなかったと思います。某氏あたりには自意識過剰だと刺されそうですが、万が一にも誤解されたくないので、念のため明記しておきます(というかこのエントリ自体これを言うために書いたようなものだったり…)。