筆者は、保険の類全般について以下の基準を守るように心がけている:
- ファイナンス上の致命傷にならない出費については、できれば保険には入らない。入らざるを得ない場合はできるだけ補償(したがって保険料)を低くする
- ファイナンス上の致命傷になり得る出費については補償(したがって保険料)をケチらない
この基準がもっともわかりやすく適用されるのが自動車保険である。対人や対物(とくに前者)の賠償のための保険は、人生を損なうような出費につながり兼ねないので惜しまずに補償を厚くする一方、自分の車の車両保険についてはできる限り免責額(deductible)を高くして保険料を下げるようにしている。自分の車なら、ちょっとした傷なら修理するかどうかも自分で決められるし、スクラップになって買い換えるにしても当面は格安の低グレード中古車で我慢するなどの方法で出費をコントロール可能で、またその程度の額なら通常の貯金、あるいは最悪でも課税運用口座の資産を売却するなどして対応できるからである。同じような理由で、以前は深く考えず漫然と入っていたAAAも退会し、アップル製品の追加保証(AppleCare)もある時期から買わなくなった。
その中で、以前から気になっていながら毎回放置していたのが(国外)旅行中の医療保険である。外国で重大な事故や病気に遭って莫大な医療費が必要になるというのはまったくあり得ない話ではないし、これは致命的(金銭上でだが)な出費にもなり得る。もちろん、そういう事態に巻き込まれる可能性は一般にはかなり低く、実際幸いにしてこれまではそういう経験をせずに済んできたのだが、本来はケチらずに保険でカバーするべき類のリスクだという意識は常にあった。実際には、ケチって保険に入らなかったのではないのだが、少し検索してみてもあまりにたくさんの選択肢があって判断できず(とはいえよくわからずに決めるのは嫌という性格も災いし)、旅行前は何かとバタバタしていて結局そのまま放置、ということが続いていたのである。
そんな中、近々国外に旅行する予定ができ、今回はたまたま事前によく考える時間があった(なにしろこんなblogも書いているくらいである)ので、ついに旅行保険加入デビューに成功(?)した。今回はかなり時間をかけていろいろ調べたので、それを次回以降に活かすために記録としてまとめることにした。
先に現状での結論を書いておくとこんな感じである。
- 必要な補償額は(もちろん国によるが)medicalで数十万ドルレベル、evacuationで十万ドル程度
- アメリカ国内で入っている健康保険の条件をまず確認する
- 別途保険を買う場合、補償額の条件に加えてadvance payment付きのものを再優先に、その上でできればprimary coverageのもの、という条件でフィルターし、その中で一番安いものにする
- 持病のある人はpreexisting conditionの条件にも注意
- キャンセル補償等、医療以外の補償は不要。なるべく外して保険料を削減する
- Medicalのdeductibleもできる限り上げると保険料削減に役立つ
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