Apr 24

昨年に引き続きBig Sur International MarathonのRelay部門に出場。今年はコース中最大の難所と言われるHurricane Pointへの上りを含む第3区間、7.2マイル(11.5km)を担当。手元の時計で49分34秒、平均ペースは4分17秒/km(6分53秒/マイル)だった。公式の区間記録はたぶんないと思われる…し、あったとしても中継点でのoverhead(結構大きい)が含まれているだろうからむしろ参考にならないだろう。そしてチームは部門3位(14チーム中)に入賞!しかしゆるランチームを標榜するお楽しみモードだったため誰もこの結果を想定しておらず、表彰台に上がるチャンスを逃して帰宅してしまった…

下のグラフはGarmin記録を元にした自家製のペース・標高図。Garmin connectにも同等のデータに加えてピッチ(cadence)、心拍数、上下動などの詳細なデータが掲載されている。

今回はGarminの高機能心拍モニタ購入以来初めてのレース的イベント、しかも山登り区間という厳しい条件も寄与したのか、最大酸素摂取量(VO2 max)の最高値を更新して62ml/kg/minをgetした!

以下詳細記録。

Hurricane Point攻略

最初に「今年は第3区間を担当」と書いたが、実は去年ももともとはこの区間を担当予定だった。しかしそれを目指した練習中に結構激しく故障してしまったため、結局もっと短くて起伏も少ない区間に担当替えしてもらい、しかもその区間も故障をおしつつ騙し騙し走ったという感じで不完全燃焼気味だった。ということで、今回は去年の轍を踏まないよう故障に気をつけつつ、激しく登って下る難コースを攻略するために対策を重ねてきた。

まず、年末頃の故障から復活して割と走れるようになってきた2月頃から某クラブの土曜朝走にマメに参加してSawyer Camp Trailの坂部分でhill trainingを積んだ。このトレイルは4.5マイル過ぎから5.8マイルくらいまでがかなり急な上りになっていて(ただし途中平坦な個所があるが)、Hurricane Pointへの上りと比べると距離が約半分で同程度の平均斜度になっている。そこで、この区間が倍あるくらいのつもりで余力を残しつつできるだけスピードを出してみたり、そういうことを考えずにグループの速いランナーについていって目一杯頑張ってみたり、などいろいろな方法で坂を上る練習をした。この間、もはや持病になっているアキレス腱がまた少し怪しくなったものの、なんとか大きな故障には至らずに継続して走っていたので、総合的な走力とともに坂もかなり上れるようになり、一番急な坂を含む5マイルからの1マイル区間で2月半ばには8分近くかかっていたのが4月上旬には7分を切るところまでレベルアップ。走力的にはかなり自信が持てるようになった。

一方、たまたま事前にMonterey・Carmel方面にでかける機会があったので、ついでにHurricane Pointのコースにも下見に行き、上り部分についてGarminの標高データとコースviewのビデオを取ってきた。これとGoogle mapsの道路図(下記の地図も参照)を付きあわせて何度も見て、斜度の変化(後半にはっきり緩くなっている)とか、陸側にカーブして見通しが効かなくなるポイントの先に何があるかなどを頭に入れてイメージトレーニングも実施。先に何があるかわからないのと事前にアウトラインをつかんでいるのとでは心理的な負担が違う。これは大体どんなことでもそうだが、長く続く上り坂を走るような局面ではこの差はパフォーマンスにもかなり影響すると思う。実際、去年はダラダラと続く上りと向かい風でかなり心が折れ気味だった。今回はこの点の予習も十分にしたので、レース当日までにはHurricane Point攻略にはかなりの自信があった。

不安な部分があるとすると風の影響で、去年の経験や一般的な地理的条件などからすると、基本的に風が吹くとすれば向かい風で、それもしばしばかなりの強風になるだろうということは予想できていた。ただ実際にどの程度の風になるかは当日にならないとわからないし、わかっていたとしても同じような条件のもとで練習する機会もそう簡単には作れない。この点については当日の出たとこ勝負と割り切ることにした。

レースのようにまじめに走る機会では、普段は想定するタイムなどの目標を持つことが多いのだが、今回はコースの条件が極端なので、目標をどの辺におくのが妥当かもよくわからなかった。とりあえず、Sawyer Campで走っていた感触などから、Hurricane Pointへの登り部分についてはマイル7分半(4分40秒/km)のペースを目指すことにし、その後は4分/km前後を目安に状況と余力次第で頑張る、くらいを目標にしてみた。

以下は実際の結果を元にした感想。

走り始めてすぐは大きなカーブになっていて見通しがよく、この部分はペースを掴みやすい。ここを上り切ったあたりで1km(地図上のポイント1)。最初のラップは4分34秒で、悪くはないが下り区間も含まれていることを考えると予定ペースに対してはちょっと不安なタイム。大きなカーブ後の直線を抜けて右に曲がると小さなカーブが続いていて完全には見通せないが、大局的にはほぼまっすぐのはずということを頭に入れつつ、少し遠方の右カーブを目指して上る。この辺は斜度も風もきつくてかなりペースダウンした。1kmから2kmのラップで5分15秒もかかってしまい、ここですでに当初予定ペースの実現は無理そうだと判明。ただしこのポイントを越えてもう少しいくと斜度が緩くなることがわかっていたので、気持ちを切らさないようにして2.5kmくらいまで粘り(ポイント2)、斜度が緩くなったところからはもう一度ペースアップ。3kmまでのラップは4分33秒と予定ペースを上回るレベルまで戻す(その前のラップの遅れを挽回できるほどではなかったが)。このあたりで右に少し大きくカーブする部分(ポイント3)を越えると、その先で一見坂の終わりかもと思わせるような視界になるのだが、実はそこを曲がった先にさらにもう少しだけ上る必要がある(ポイント4、この部分は「ニセHurricane Point」と(内輪で)呼ばれている)。それは当然頭に入っているので、上げたペースは維持しつつもその先があることを想定してニセポイントを通過すると、その先の2つのカーブの先に本物Hurricane Pointが見える。この辺りはかなり風が強かったが、斜度はもうそれほどでもなく、距離も残りわずか(500mほど)ということも予習済みのため、ここは踏ん張りどころと思ってこらえてHurricane Pointに到達(ポイント5)。

Hurricane Point以降

下りに入るとさらにすごい暴風が吹き荒れていたが、さすがにペースは勝手に上がって3分40秒/km台に。このペースでも呼吸にはまだかなり余裕があった(garminの心拍数記録を見ても、上りでは140-150くらいなのに対して下り部分は大体130台に落ちている)のだが、これ以上飛ばすと足が持たなさそうという判断で少し抑え気味にしてこのくらいのペースで落ち着いた。逆に前日の下見でわかっていた後半の2箇所の上り部分は少し頑張って4分15から20秒/km程度にまとめ、最後にだーっと下って平地のようになったあたりで中継点。残り1kmあたりからは力を振り絞って走りたかったが、最後の方は右ふくらはぎにちょっと違和感が出てきたこともあり若干自重めの走りになってしまった。

総合評価

結果的にGarmin計測で11.78kmを49分34秒、平均ペースは4分12秒/km(6分46秒/マイル)。公式の区間距離(7.2マイル=11.58km)で計算すると4分17秒/km(6分53秒/マイル)。Garminは距離が長く出がちなので後者の方が実態に近いのだろうけど、実は中継地点でちょっとトラブって最低でも数10mは余分に走っているはずなので、より実質的には公式距離ベースよりもほんの少しだけよい可能性がある。

全体として見ると、Hurricane Pointまでの上りは概ね持っている力を出せたと思う。仮目標としていたマイル7分30秒ペースからは遅れて、マイルあたり7分48秒(4分50秒/km)ほどかかっているのだが、この目標は風の影響が読めない中で立てたものなので、当日がかなりの強風だったらしいことも考えるとそれより悪くなったのはやむを得ないだろう(もっとも、走った後で振り返ると、無風だったとしてもこの目標ペースを達成できたかは自信がないが)。向かい風の中2マイル超の上りという条件だと、体力的な問題もさることながらいかに集中力を切らさずに走るかが課題だけど、事前の予習で地形と斜度の変化を頭に入れていたおかげで集中したまま上り切れたと思う。心拍計の記録からしても、斜度が緩くなったところで少し下がった以外は坂全体を通じて140後半から150超くらいを維持しているので、体力的にも出せる力をほぼ出し切っているといえそう。かつ後半の下りでもそれなりにスピードアップできて、大きな失速もなかったので、最初の上りで力を使い果たすことなく中盤以降に続けられたという点でもうまく走れていると思う。

一方、Hurricane Pointを越えた後の部分では、心拍数のデータが示すように、もう少しやれたはずという感じはぬぐえない。ただ、現実的に考えると、実際に出した以上のペースに足が耐えられたかどうかはかなり怪しい気がするし、そういう筋力その他の体の強さも実力の一部と思うなら、やはりこの部分も実力相応ということになるのだろう。この間の平均ペースは、Garmin記録で3分57秒/km(6分21秒/マイル)。事前の一応の目標では4分を切れるペースでいければ上出来と思っていたので、そういう意味でもまずまずの結果というべきだろうか。

その他、Garmin Connectの詳細データから気がついたこと:

  • ピッチ(cadence)は平均188ステップ/分。レースのように全力に近いところで走ったときのデータがこれだけなので同等比較が難しいのだが、割とスピードを出しているときでも180前後のことが多いので、それよりはかなり高い。ただ、上り区間は自然とピッチが上がるし、下りは勢いが付いている一方で抑え気味に走っていた分ハイピッチになっていたという可能性があるので、単に地形の効果なのかもしれない。
  • 一方、平均ストライドは1.26m。普段スピードを出しているときは1.3から1.4mくらいにはなることが多いので、今回はストライドはかなり短めということになる。これについてもピッチの変化と同様の理由かもしれない。
  • 日頃のデータの中で総合的に悪いことが多いのは上下動(vertical oscillation)なのだが、これは今回は(当人比)かなり向上して平均8.1cm。Elevationと付きあわせてみると、上りで少なく、下りで多くなるという傾向がはっきりしているので、これは明らかに地形の効果だろう。ちなみにGarminによる説明書きでも上りや下りでこういう傾向が出るとされている。速くなるためというより、故障予防のためにこの値を改善するのが今後の目標である…

写真集

一応、写真記録ということになっているblogなので写真も掲載。

前日出発前の昼飯

前日のコース下見で、Bixby bridgeの近影とHurricane Pointからの眺め。

前日のカーボローディング(と称したご飯会)

担当区間後、ゴール地点までのんびりジョグ(Garmin記録)。
23マイルポイントを超えて少し行ったところにあるイチゴコーナー目当てに頑張った。

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