久々に(でもないか)US qualityを実感するできごとに遭遇した。
以前の検討結果をもとに401(k)口座への拠出を本格的に開始しよう、と思ってチェックしてみると、$20分を無難なMMFに拠出している状態(一応年初に開くだけは開いておいた。かつ残高ゼロというのは不可とのことだったのでちょっとだけ拠出していた)なのに残高が$19.56しかない。MMF口座で残高が減ること自体普通では考えられないので問い合わせたところ、こんな回答がきた。
The money market is not a guaranteed account. It is possible to have a loss on the money market fund if the rate of interest is less than the fees for that period. It does not happen as often with the money market but with current market conditions, you will see this from time to time.
おいおい、theoryとしてはそうかもしれないけど実際上こんなに減るわけないだろう、と思って書いた返事が以下:
Could I get the details of the fees? I know that type of thing could happen even for a MMF account in principle, but it’s also very hard to believe more than 2% of the invested amount ($0.44 out of $20) are lost (unless most of the companies in which this fund invests default, which I don’t believe under today’s level of economy recession). In fact, I’ve never seen any loss in any other MMF accounts I had. There should probably be something very special for 401(k) accounts – I’d like to know what it is.
で、それに対する返事:
The reason the fee’s appear to be so high in his account has to do with the two incorrect contributions that were submitted. Before we could reverse these two deposits two monthly fee transactions were posted to his account. […] We did not reverse or adjust these two fee transactions when the correct deposit amounts were posted.
“Incorrect contributions”というのは、最初に口座を開いたときに間違って多めに拠出されてしまっていて、それを指している(まあこれ自体US qualityそのものなんだが、すぐに指摘して返金してもらった)。ということで、間違って取られていたfeeは改めて口座に戻されてひとまずは収まったが、いろいろ思うところあり。
まずは言わずもがなのお粗末な事務作業ぶり。いつも思うことだけど、日本のちゃんとした運用会社ならまず考えられないような低レベルの間違いだ(もちろん過度の一般化は危険だが、こういうことの例は自分の経験からいっても他人の話からしても枚挙にいとまがないので彼我の差だといっていいだろう)。まあ、今回問題だった額は大したことないので実質的な被害はしれているが、今後本格的に拠出するとなると、老後のための大事なお金をこんなところに任せて大丈夫なのかと不安になる(401(k)の運用会社は自分では選べないのがつらい)。
それと関連して、この間違いに自分から気がついて文句を言わなかったら(あるいは気がついても最初の返事で妙に納得してそのままにしていたら)きっと取られっぱなしだったろうなという点。大体において言ったもん勝ち、というか言わなかった者負け、というのがアメリカ社会という印象があるが、これもその典型という感じか。たまにならそういうのも経験のうちかなと思うけど、毎回こんなことばかりだとそのうち嫌になるかも(そしてたぶんこんなことばかりなんだろう)。こういうのをどのくらい受け止めてこなしていけるかがここで暮していけるかどうかの一つの分かれ目という気がする。
最後に、先方の返事のtoneから感じる文化の差。上の部分のあと、取りすぎていた部分は戻しておいた旨の連絡と、他に質問があったら言ってくれという決まり文句で事務的に終わっているのだが、これはどう見ても先方のオペレーションミスなのだから、仮に日本だったら平謝りのケースだろう。想像するに、基本的にめったなことでは謝らないというメンタリティ(逆に日本人はちょっとしたことでも謝りすぎかなとも思うが)と、非を認めてしまうとすぐに訴えられるリスクがあるという社会的背景によるものなのだろう。謝られたからといって実利的なメリットがあるわけでもないし、こういうのは文化の差だと思っているのでとくに気にはならないが、これだけ反応が違う(日本の反応は想像に過ぎないが)のも興味深い。
おまけ: 事務作業の低qualityに比して、ビールのqualityは高いアメリカ。最近暑くなってきたので、デブの悪化を懸念しつつもついつい飲んでしまう。基本は全米一おいしいと言われるSierra Nevada Pale Aleなんだが、今回はたまたまsafewayで会員割引されていたRedhook ESB。全米一のSierra Nevadaの方がやっぱり好みだけど、これも結構おいしい。
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