Nov 04

今年一年を通じて目標にしてきたNew York City Marathon(NYCM)に出場。公式タイムは3時間16分19秒、7月のSan Francisco Marathon(SFM)で出した自己ベストを約4分更新、5分繰り上がった2020年のBoston Marathon qualifying time(いわゆる”BQ”)および2019年のChicago Marathon qualifying timeも突破した。

SFM時と違って今回ははっきりと3時間15分切りという目標を持って臨み、トレーニングの感触では十分達成できると思っていたのでやや不本意ではある。それでも、3時間20分を切って自己ベスト更新かつ再度のBQ(ちなみに2019年は申し込むも9秒差で出場を逃した)という最低ラインは達成できたので、客観的には成功の範囲内ではあるのだろう。

今回学習したこと:

  • 極端に混雑している中でのレースには走力とは別なスキルが必要
  • (とくに混雑がひどいような場合)ペースグループに入るのもよしあしあり
  • (言わずもがなだけど)故障しかかったところで思い切って休む勇気は重要

統計情報

下のグラフはGarminで測ったペース・標高・心拍数の記録。なお、GPSがビルの陰でうまく取れていない区間があるのか、距離がかなり長めに出ていたり異様に速い区間があったりするのに注意。ちなみに40km手前のペースのスパイクは痙攣を起こして止まっていた箇所と思われる。

以下は5kmごとのラップとスプリットタイム。

距離 ラップタイム スプリットタイム
5km 23’27” 23’27”
10km 22’56” 46’23”
15km 22’59” 1:09’22”
20km 22’36” 1:31’58”
25km 23’53” 1:55’51”
30km 22’58” 2:18’49”
35km 23’08” 2:41’57”
40km 24’11” 3:06’08”
ゴール 10’11” 3:16’19”

ちなみに3時間15分の平均ペースは5kmあたり23’05″になる。

前後半のラップはそれぞれ1:37’07″と1:39’12″。実質的には前後半ほぼイーブンで走れていると思うのだが、脚の痙攣で止まってしまった時間があるので少し差ができている。

トレーニング

シミュレーションとトレーニングを兼ねた夏のSFM後の回復期間を経て、NYに向けては8月の2週目から始動。基本的には、SFMでまずまずうまくいった某Asicsの「3時間台前半を目指す」20週メニューをベースに、5週間ある「スピード養成期」の4週目からスタート、さらに「調整期」を3週から2週に減らして(これはSFMのときも同じ)全13週のプランで準備した。

SFMからさらに上積みを狙うべく「スピード養成期」の10km走なども組み込んだのだが、フルマラソンのダメージがまだまだ重かったのか、結局スピードを再養成したというほどの質のトレーニングはできなかった。トレーニングプランの理想としては3ヶ月前にフルマラソンを走ってしまうのは得策ではなかったかもしれないが、ほぼ経験なしの状態でいきなり目標レースに出る勇気がなかったので仕方ないし、結果としてはやはり一度走っておいたのは総合的によかったと思う。

8月の3週目からは「走り込み期」に移行して、概ねメニュー例の内容どおりに、週の半ばに14kmの速めのペース走、週末に20-30kmのロングペース走の組み合わせをこなした。速めのペース走は、トレーニング効果と故障予防のバランスを考えて、心拍数を140台半ばくらいまで上げてそこで維持する程度(ペース的には4分10秒/kmを切るかどうかくらい)で実施。追い込むつもりならもう少しやれる、というぐらいの負荷だったけど、故障予防という観点からするとこのくらいでちょうどよかったという気がする。週末ロング走は、SFM前までは完走重視でかなり抑えたペースで走っていたけど、NYはタイムも目指すということでフルマラソン3時間10分相当の4分30秒/kmペースを基準にしていた。

ほぼ2ヶ月前の9月頭に練習の一環でハーフマラソン出場も考えたのだが、思ったほどスピードが上げられていなかったことと、SFMで少し痛めた膝周りが完治とはいえない状況だったので大事を取って見送った。この判断は正しかったように思う。

上述の通り、この頃まではNYの目標タイムを3時間10分と思ってトレーニングしていたのだが、ロングペース走をそのペースで走ろうとした結果がどうも安定せず、速めのペース走のペースも(意図的にやや抑えていたとはいえ)あまり上がってこないということで、少し目標を下げた方がいいかという気分になってきたのがこの頃である。

10月に入るとAsicsメニューでは「レースシミュレーション期」となり、質を高めた最後の仕上げになる…のだが、ここにきて持病的なアキレス腱痛が再発してしまった。上下動の少ないフォームに改善したりトレーニング頻度を調整したりした効果で、ここ1年以上は問題を感じたことはなかったのだが、9月末のSawyer campでの下り坂で少しスピードを出していたのがいけなかったのか、その週末から怪しい感じになり、10月頭の14kmペース走後にははっきりわかるくらい悪い痛み方に発展。その週末には重要な32km走のメニューが控えていたのだが、ここは休むべきところだと腹をくくり、木曜から日曜日までは一切走らずにジムメニューに切り替えた。翌週からおそるおそる再開し、その週末には25kmをレースペースで走ってみて、なんとか持ちこたえられそうとの感触を得た。こういう場合に休む決断ができなくて悪化させてしまうという失敗を何度もしていたけど、今回はなんとか過去の教訓を活かすことができた。

アキレス腱の問題も発生したので、この時点で目標タイムは3時間15分に下方修正することに決定。アキレス腱を気にしつつも実施した、本番2週間前の「シミュレーション走」32kmではそのペースでわりとしっかり走れてなんとかメドは立った。

最後の2週間はSFM時と同様にテーパリングし、3日前からカーボローディング(的)食事に切り替え、前日に3kmほど軽く走って準備完了。NYCMはスタートが比較的遅い(割り当てられたwaveでは9時50分)上にちょうどstandard timeに変わる日なので早朝対策はさほど必要ないだろうとは思ったが、カリフォルニアとの時差も考えて一応2週間前から5:30am起きに切り替えて体を慣らすようにしておいた。

8月から10月までの平均走行距離は177km、もっとも走った9月が206kmだった。走行距離はSFM後の休養期間があったりアキレス腱痛での中断があったりして若干少なくなっているが、SFMの前までもフルマラソンを想定した走り込みはしていたので、練習量には不足はないだろうと思っていた。

レースプラン

走力的には3時間15分は自力でも達成できるだろうと思っていたのだが、今回は少なくとも30kmまではペースグループに入って気力と体力を温存しようと決めていた。したがって、非常に大雑把には、(ペースがよほど異常でない限り)基本的に何も考えずにペースグループについていき、30kmから20マイルあたりでの余力次第でそこから頑張る、というのがプランである。

夏に走ったSFMほどではなくても、NYCMも見た目の割には難コースと聞いていたので、コースの予習はしっかりしておいた。まずは”New York city marathon course map”などでぐぐって出てきた某攻略ページ記載の高低差mapを見て主な坂を確認。細かいのを除くと、気にしないといけないのは以下の3箇所:

  • スタート直後のVerrazano Narrows Bridge。約3/4マイルの上りで3.61%。その後ほぼ同程度の下り。
  • 15マイル手前あたりからのQueensboro Bridge。上り1マイル弱で2.57%。その後ほぼ同程度の下り。
  • Central parkに入って、23マイル手前から1マイルほどの上り、1.71%。

トレーニングで普段走っているSawyer camp trail北端の一番きつい坂が5%くらいなので、斜度でいえばどれもそれほど大したことはない。またVerrazano Narrows Bridgeはスタート直後なので負担に感じることはないだろうから、残りの2箇所を頭に入れておけば大丈夫そうである。斜度は大したことがないと心に刻んでおいて気持ちを切らさないようにしようと言い聞かせた。

糖分補給に使うenergy gelは大体11, 22, 32kmのあたりで摂取するつもりで、そういう(余計な)ことをするのは坂でないところの方がいいので、その補給ポイントも高低差mapで確認。意図していた距離のあたりはどこも平坦なのでとくに気をつける必要はなさそうで一安心。

高低差mapを探していて見つけた某攻略ページのstrategyもなかなか参考になった。基本的にはペースグループ任せというつもりではいたが、全体として以下のようなイメージを頭に入れておいた。

  • 前半は多少遅くても(というよりその方が)よい。15マイルでゴール時のペースから60秒遅れ程度が目安
  • First avenueで挽回し、20マイル地点あたりでとんとんまで持っていく
  • 最後10kmで温存した力を放出して頑張る

その他、歓声がすごいのでそれに押されすぎてオーバーペースにならないように、といった注意もあるのだが、そういう点で惑わされるタイプではないという自信はあったのでそのあたりは気にしていなかった。

レース当日: スタートまで

起床は4時45分、5時20分過ぎの地下鉄でsouth ferry乗り場まで移動して6時15分のフェリー乗船、その後バスで(1時間弱くらい?)移動して2時間前くらいにstart village入り。スタートが9時50分なので、そんなに早い時間に移動しなくてもいいのではと思っていたのだが、有識者のアドバイスも参考に早めの移動にして、結局village内での待機時間もそれほど長くはなかったので、初参加者で勝手がわからないということも考えるとちょうどよかった気がする。スタート約3時間前にバスの中でおにぎり2つとバナナの朝食。

Villageではcorral移動まで結構暇だった(1時間待ちくらい?)のでぼーっとしつつ、トイレにいったり日焼け止めやワセリンを塗ったりして時間をつぶした。今回は晴天で気温も上がってきそうだったのでウェア擦れ予防のために(普段あまり使わない)ワセリンも使用した。その効果かどうかはわからないが、結果としては股や胸などが擦れて気になることもなかったので使ってよかったと思う。ちなみに、後述のように持参した荷物は持って走るか捨ててくるかしないといけないので、日焼け止めやワセリンは使い捨ての小さなカップに入れて持っていった。

他に普段と違っていたのは、帽子と軍手を着けて走ったことと、携帯をflipbeltに入れて持って走ったこと。帽子は蒸れるのが嫌なのであまり使わないのだが、今回は快晴の予報だったので直射日光を少しでも避けるために着用。これは、とくにManhattanの5th aveのあたりで役に立ったので使ってよかったと思う。軍手は逆に気温が低かった場合に指先が冷えすぎるのを防止するため。走り始めればおそらくすぐに必要なくなるだろうと思っていたので途中で捨てられる軍手にした。結果的には気温が十分高かったので軍手は最初から必要なかったかもしれないが、一応着けてスタートし、Brooklynの市街地でゴミ箱を見つけて捨てた。携帯も通常だとレースはもちろんトレーニングでもめったに持っては走らない(走っている途中ではまず使わないし、余計なものを持って走るのが嫌なので)のだが、NYCMの場合は持参した荷物をチェックインしてゴールで回収するオプションが不便(ゴール後かなり歩かないといけない)と聞いていたので預けるわけにはいかず、一方で朝の移動中に何か調べたくなったりとか、ゴール後の合流の連絡のためには携帯があった方が便利、ということで、直前までかなり迷ったのだが、結局持って走ることを選択。事前にFlipbeltに携帯を入れて走るシミュレーションはやっていて、邪魔になるような感じではないことは確認しておいた。ゴール後の合流でも想定外の事態が起きたりしたので、結果としては持って走って正解だったと思う。

携帯の他にと地下鉄のカードとクレジットカードもflipbeltに入れて走った。地下鉄カードはゴール後ホテルに帰るときのため、クレジットカードは何か不慮の事態でお金が必要になった場合に備えたもの。これらも、checkin & pickup方式でない以上は持って走るしかないのだが、重さ的にも大きさ的にも邪魔になるようなものではないので悩むことはない。

Villageでの暇な時間帯にflipbeltにこれらの品々とenergy gelを収納…というところで、塩分補給用タブレットを持参し忘れていたことが発覚! レース終盤での痙攣防止によいということで某同僚に分けてもらったもので、SFMでも使用してそれなりの効果があったと思われる(使わなかった場合との比較ができないのであてにはならないが、少なくとも悪い影響はなかった)ので今回も使うべくNYまで持参したのだが、肝心の朝に持ってくるのを忘れてしまった。後述のように終盤で痙攣が発生して少なからぬロスを強いられたので、この失敗は結果としては痛かった。

Villageの放送に促されて、スタート約1時間前にcorralに移動。割り当てられたcorralはgreen Aだったのだが、3時間15分のペースグループに入りたかったのでblue Dに鞍替えした。Greenとblueでは出発地点が全然違う(橋の上層と下層)のでスタートしてから合流というわけにはいかず、corralへの集合時点で移っていないといけない。前日のexpoの段階で確認して、遅いcorralに移る分にはカラーが変わってもOKと聞いていたが、確信が持てなかったのでvillageでも何度か確認。が、これもありがちなことに人によって言うことが結構違っていて、色の変更は不可という人もいたりしてちょっと混乱した。でもこれまでに聞いた情報を総合すれば入れる可能性の方が高いだろうということでblue Dを目指して進入に成功。corral入口でチェックしていた人はcorral番号しか気にしていないようだった。あなたはAだけどここでいいのか、と聞かれて、Dのペースグループに入りたいので敢えてここで、と答えたら色のことは聞かれずすんなりと入れた。

Corralにもトイレがあるのでもう一度行っておき、その後は動的ストレッチをしたりして準備。トイレが近いので、フルマラソンのように長時間トイレにいけないイベントでは、尿意がなくても行けるところではぎりぎりまで何度でもトイレに行くことにしている。NYでは気温がかなり下がることも予想されたのでここも不安だったのだが、Corralにトイレがあったのと、結局気温はむしろ高めだったのとでレース中はトイレに関しては問題なかった。

スタート約30分前にcorralを出発。ここでレースで着用するもの以外の衣類は捨てて(というか寄付して)いかないといけない。今回はそれを見越して数年使い古したジャージ類とウィンドブレーカー上下で行き、名残惜しいながらも捨ててきた。気温がそれほど低くなかったので残りの時間は腕や脚が露出していてもたぶん大丈夫だったと思うが、一応SFMのゴール後にもらった銀紙(?)を巻き付けていった。

スタート地点まで移動したところでさらに10-15分ほど待つ。この間に3時間15分のペーサーを探してグループ入り(corralでは見つけられなかった)。その後、主催者の挨拶とかアメリカ国歌演奏とかがあったりして、いよいよスタート。

レース前半

スタートしてすぐが斜度のもっともきつい上り。きついといってもトレーニングで走っているコースの坂ほどの斜度ではなく、スタート直後でもあるので体感的にはほとんど負担に感じない。ペースグループもおそらくゆっくり目にスタートしていたので楽に走っていたのだが、1kmいくかどうかのところで早くも左足の靴に違和感が。よくよく見るとなんと紐がほどけていた! これまでこのシューズで走っている最中にほどけたことがなかったのでかなりショック。いまでもどうしてほどけてしまったのか謎なのだが、こんな序盤から紐のほどけたシューズで走り続けるわけにはいかず、仕方なくコースの端に寄って止まって結び直し。

橋はすでに後半の下りにかかっていたので、グループにはまだまだ追いつけるはず、と思いつつ、ここで足を使い過ぎないように自重もしつつ少しペースを上げて、橋が終わる頃にはなんとかペースグループに再合流。その後はグループの中で息を落ち着かせて体力温存に専念した。

ただ、人混みが想像以上で、どこまで行ってもかなり走りづらい状況が続いていたのがちょっと誤算だった。それほど規模の大きくない大会なら、スタート直後は芋洗いでも数km程度で自分の周囲に十分なスペースができる程度にはばらけるものだが、さすがに世界最大級の大会だけあって10kmを過ぎてもすぐに前が壁になるような状態だった。このせいで油断しているとペースグループからの距離が開いてしまい、それを挽回するのにまた気力と体力を使う形になってしまったのが後半になって今ひとつ伸びなかった一因かもしれない。

人混みのせいで給水にも苦労した。混んでいなくても走りながらカップを取って飲むのは簡単ではないものだが、それに加えて人混みがあると給水テーブルに近づくだけでも大変で、累計するとここでもかなり無駄に体力を消耗していたような気がする。晴天ということもあって給水は原則すべてのポイントで、かつミネラルと糖分補給のためになるべくスポーツドリンク(ゲータレード)、という方針でいたのだが、序盤は水とゲータレードの配給パターンがよくわかっておらず、無意味に水だけのテーブルに近寄ろうとしてしまったりとかしたのもミスだった。

Brooklynの市街地には坂はほとんどなく、まずまず楽に走れていた。7マイル地点のあたりで最初のenergy gel補給。勝負はあくまで最後の10kmと考えて、20マイルか早くても30kmまではペースグループの中でぼーっと走るつもりで、心拍数だけときどきチェックして、ペースもそれほど意識はせずにペースグループにくっついていくことに専念していた。心拍数はこのあたりでは大体130台半ばくらいで、想定よりは若干高いものの、レースのような環境だと緊張感のせいか少し高めに出ることも普通だし、主観的な体の状態としては余裕はあったので問題ないと考えていた。直射日光が気になるので可能なところでは日陰を選んで走るようにしていたのだが、これは一方でグループから離れやすくなるリスクも引き起こしていたので、結果的にどちらがよかったのかはよくわからない。

レース後半

ハーフ地点で時間を確認すると1時間37分ちょっとで、3時間15分ペースからは30秒弱速い通過。この時点ではまだまだ全体的に余裕もあり、某攻略ページの内容も参考に、ハーフでは3時間15分平均のペースより少し遅くてもいいというつもりでいたのでかなり手応えを感じていたが、最後の10kmまではあくまで体力温存と心に言い聞かせてリラックスを心がけた。

14マイル地点くらいで中間の難所のQueensboro Bridgeが見えてきた。このあたりで2つ目のenergy gelを投入。15マイルの少し前くらいから橋の上りがはじまるのは予習済みなので、上りに入ってもストレスはなく、ペースグループがかなりペースを落としていたのでそのまま集団でじっとしていた。橋を下って1st avenueに入るとものすごい大歓声…と聞いていたので身構えていたけど、事前情報で強調されすぎていたのかそれほどのすごさは感じなかった(大音量なのは間違いないけど)。いずれにしても、歓声に押されてオーバーペースになるような性格ではなく、あくまで自分の走りに専念していた。

1st avenueはほぼフラットで全体的には若干下り基調の長い直線で、コース終盤に待っている上りに備えてここで貯金を作っておくのが定石のようなのだが、結果的には25-35kmの10kmが46分6秒と、ほぼ3時間15分平均ペースでしかいけなかったのが一番の敗因かもしれない。1st avenueのあたりでは心拍数も140くらいまでは上がってきていたものの、距離の割にはまだ力を残していたという感覚があったし、グループについていくのにも苦労はしていなかったのだが、結果論ながら後から思えばこの辺でタイム(が上がっていないこと)を確認して抜け出すべきだった(もっとも、もしそうしていたら最後に脚が止まった可能性も否定はできないので、難しいところではある)。自分ではほぼon timeのペースで来ていると錯覚していて、残り10kmまではグループで体力温存と決め込んでしまっていた。ちなみに、後述のように最後10kmはグループを飛び出して一人になり、最後で失速はあったものの再び抜かれたという記憶はないので、ペーサーも3時間15分ではゴールできていないのではないかという気がする。全体的には上手にペース管理していたと思うし、ペーサーを利用するのも自己責任なのでペーサーのせいというつもりはないが、もう少し早い段階からゴールタイムとの乖離を確認しておけばよかったというのは大反省点である。

1st avenueの直線では、グループから外れることのないようにペーサーの後ろにぴったり張り付いていたのだが、30kmあたりで立ち止まっていたランナーがペーサーの陰になっていて見えず、接触してバランスを崩して左大腿裏に痙攣が走ってしまったのも誤算だった。一瞬終わったかとも思ったが、何とかごまかして走り直すことに成功し、グループにもすぐに復帰できたのだが、ここでまた精神的にも肉体的にも無駄な力を使ってしまった。ここまで全体的に脚には大きな異常はなかったものの、大腿裏のあたりにはわりと序盤から少し張った感じがしていて気にはなっていたのだが、ここにきてその不安が実体化してしまった。最後の痙攣(後述)もこの接触が遠因となっているような気がする。

長い1st avenueが終わると少しだけ上るWills avenue bridgeがあり、登りきってカーブすると残り約10kmの20マイル地点。ここではまだ力が残っていると判断し、いよいよグループを抜け出して一人旅に入った。このあたりで最後のenergy gel補給。23マイル前後の最後の坂に備えて無理はしないながらもじわじわとペースを上げるようにして、手元のGPS経時ではかなりいいラップ(4分30秒を切るペース)を出すようになっていたのだが、ここも後から思うとビルの谷間でGPSの精度が落ちて実際より速く見えていたのかと思う。22マイルポイントのあたりで通過時間と3時間15分のスプリット表をちゃんと突き合わせてみて遅れていることをようやく認識して愕然としてしまった。

それでも3時間15分台くらいではいけるペースできていたので、あとはそこから少しでも縮めるべく(本人の主観としては)いいペースを保って23マイル前からの最後の大きな上りに突入。このあたりでは心拍数は140台半ばまで到達していた(たぶん気温上昇のせいもあると思われる)が、主観的な状態にはまだ余裕があったし、残り距離もカウントダウンに入っていたので許容範囲内。さすがに終盤で脚に疲れはきていたけど、斜度も距離も予習で想定の範囲内で、気持ちを切らすことはなく快調に上っていたのだが、ほぼ上り切るというところでふたたび左大腿裏に痙攣発生! しかも今度は走り直そうとしてもまた痙攣してしまい、ついに立ち止まらざるを得なくなってしまった。これで3時間15分どころか20分もパーか、と真っ暗な気分になりかけたけど、止まって少しストレッチして、おそるおそる走りはじめてみたら何とか走り直しに成功。一度動き出した後は腿裏の状態も意外に落ち着いて、そこからまた少しずつペースを上げ、そこからはトラブルもなくゴール。

ゴールと総括

痙攣で止まっていた時間がたぶん1分くらいはあったので、ゴールタイムもかなり落ちただろうと思ったけど、手元の時計で見たら3時間16分27秒で、思ったよりは悪くなかった(公式タイムは16分19秒)。何度かあったアクシデントは本来防止できたと思うし、全体としてじわじわと効いていたと思われる人混みにももう少しうまい対処法があったと思うし、人混みの問題もあってペースグループの利用方法もいまひとつ稚拙だったし、レースマネジメントの点でいろいろ失敗が多かった。これらをもう少しうまくやれていれば3時間15分は十分達成できたのでは、と考えたくなってしまうが、まあそれも含めての実力なので受け入れるべきだろう。それでも自己ベスト更新とBostonの再qualifyという最低限のラインはクリアできたので、全体としては喜ぶべき結果なのかなとは思う。

これで今年のメジャーなランニングイベントは終了。Bostonを逃したので、来年はChicago Marathonに挑戦するつもりである(ついさっき申し込んだのでまだ確定していないが。ちなみに申し込む直前までqualifying timeが更新されていたことに気がついていなかった。SFMのタイムでは届いておらず、NYのタイムが必要だったので、その意味でも3時間20分を切っておけたのはよかった)。この歳になるとなかなか上積みは期待できないし、それ以前に怪我なくスタートラインに立てるかが大問題だったりするが、Chicagoは高速コースで有名なので、あわよくばもう一つ上の結果を狙っていきたいところである。

コメント 2 件

  1. Vancouver Marathonデビュー Says:

    […] 秋のシカゴを見据えた初戦としてVancouver Marathonに挑戦した。公式結果では3時間18分54秒。シカゴで3時間一桁の大目標を達成するためにもここで3時間15分は切っておきたかったのだが、難コース・故障明け・(故障による)最終盤の走り込み不足・その割には攻めたペース、などの(おそらく)総合的な結果として最後の10kmは完全に脚が止まり、昨年のNYで出した自己ベスト(3時間16分19秒)更新もならず。ただ、これが現状の実力相応な結果かとは思うので納得感はあるし、秋に向けての課題もはっきりしてきたので収穫はあった。 […]

  2. Chicago Marathonデビュー Says:

    […] 今年最大の目標だったChicago Marathonに出場。主催者記録では3時間6分7秒、去年のNYで出した自己ベストを10分以上更新し、2019年の目標に据えてきた3時間10分切りも達成した。Overallで45833人中2657位(上位5.8%)、Age groupでは3532人中262位(上位7.4%)であった。 […]

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