Dec 01

日本にもとうとうマイナンバーなる名前の納税者番号が導入されるらしいというニュースを他人事のように聞いていたのだが、つい最近になって、日本の非居住者である筆者には甚大な影響がある(かもしれない)ということに気がついてしまった。2016年1月より、日本の銀行からアメリカの口座へ、またはその逆の海外送入金にはマイナンバーが必要になるらしい。リンクは新生銀行のものだが、他の銀行でも概ね同じ規制が適用される模様である。マイナンバーは日本の住民票のある人にしか発行されないので、筆者のような非居住者は当然対象外である(内閣官房のFAQ Q2-8-1参照)。 More… »

Dec 01

以前のblog記事で、日本で所有する(日本の会社の)株式からの配当について、日米租税条約により日本側で課税され得る税率の上限を超えて徴収されている分が日米の二重取られになる(可能性がある)ことを述べた。その後、煩雑な手続きを経て、去年から今年前半にかけて二重取られしていた分の還付請求と、この先の配当についてはじめから上限内の徴収にとどまるように手配するところまでこぎつけた。後述のように、還付はまだ受けられていないのだが、少なくとも新規配当分について手続きの効果が発揮されたことが確認できたので、ここで手続きの詳細についてまとめておくことにする。 More… »

Nov 19

諸事情により、日本で保有していた株式の一部を売却する予定が生じたので、これによって発生するキャピタルゲインの日本側での税金処理について改めて確認してみた。 More… »

Nov 19

1つ前の記事では、分配金再投資が不便というETFの欠点を補うという観点から、ETFの分配金を自動再投資するDRIP制度について書いた。一方、その記事でも触れたように、ETFを通常の投資信託((traditional) mutual fund, TMF)に転換することで、ETFの欠点を抜本的に解消するという考えもあり得る。この記事では、こうした転換についてのちょっとした詳細と、wash saleとの関連についての筆者の最近の学習結果をまとめたものである。
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Nov 18

以前のblog記事で、通常の投資信託((traditional) mutual fund, TMF)とETFを比べた場合に、後者では「分配金を自分で再投資する必要があって面倒」と書いたが、実はETFでも銘柄と預け先によっては(無料での)自動再投資が可能な場合がある。これは一般にDividend Reinvestment Program/Plan (DRIP)と呼ばれていて、たとえばVanguardの証券口座にVanguardのETFを預けている場合はほぼDRIPを選択可能である(ちなみにFidelityはETFのDRIPを提供していない)。
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Oct 08

以前、PFIC stockを相続してしまった場合についての筆者の調査結果をまとめたのだが、それについての追記。国際税務を扱う事務所の人(らしい)がPFIC関連の話題について隔週で出しているメールマガジン(あまりにマニアックな題材…)があり、筆者は勉強のためにこれに登録している。その最新号がまさにこの相続問題を扱っていた。 More… »

Oct 04

中国のショック以降、今年はもともと伸び悩み気味だったアメリカの株価が急落したせいか、いろいろなところで、(個人の)資産運用の内容を変えた方が(もっと端的に言えば、値下がりしている資産を売った方が)いいのではないかというような意見や質問を見かけるようになった。このような問いに対する筆者個人の意見は、「値下がりだけを理由に何かを変える意味はないが、現在の運用内容が本来適切でなかったのならそれを見直すという考えはあり得る」というものなのだが、いずれにしても筆者自身の運用(当然だが値下がりしている)を昨今の状況に合わせて何か変える必要があるとは思っていなかったので、自分の問題として捉えてはいなかった。しかしよく考えてみると、「(筆者の)現在の運用内容が本来適切でない」という可能性はあり得る。振り返ってみると、現在(目標としている)ポートフォリオを策定したのは約4年前で、見直す必要があるほど長期とは言えないながら、すでにそれなりの期間が経過している。誰にとっても値下がりは気分のいいものではないので、「前回の判断は間違いだった」という答えに安直に飛びつきやすいという危険もあるのだが、せっかくの機会なのでここで少し検討してみることにする。 More… »

Sep 23

先日、もし日本に帰国しないといけなくなった(あるいはそうでなくてもアメリカ以外の国に住むことになった)場合、現在保持している各種金融機関の口座はどうなるのかというのがふと気になり、問い合わせて確認してみた。その結果をざっとまとめると以下のような感じ:
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Sep 04

諸事情により、少しまとまった額の日本円を米ドルに替えてアメリカに送金する必要が生じた。そこで、こういうこともあろうかと以前準備だけはしておいた新生銀行の海外送金を本格利用することにした。この記事はその手続きや手数料の実績に関する記録である。 More… »

Aug 21

以前のblogエントリに書いたように、2013年12月にHSAを開設して以来、筆者は資産運用のための「隠れIRA口座」としてHSAを使っていたため、いままで一度もお金を引き出したことがなかった。

しかも、このままなら引き出すとしても遠い将来だろうと思っていたので、医療費の領収書や請求書などもあまり深く考えずに捨ててしまっていた。ところが、不覚にも、HSAの払い出し請求は(口座を保持している限り)どれだけ古い費用についても可能だということをごく最近まで認識していなかった。そうだとすると、とにかく可能な限り領収書の類は残しておき、将来HSAからお金を引き出して使いたくなったときには貯めておいた未請求分までの額は時期に関わらず非課税で取り出せることになる。とくに、たとえば想定外の事情で日本に永久帰国しないといけなくなったような場合に、その後の扱いにいろいろ謎が残るHSA内のお金のうち少なくとも一定分を税金・ペナルティなしで引き出せる可能性を持っておくというのは役立ちそうである。

ということで、いざというときの事務手続きでハマったりしないように実際に引き出しの練習をしてみることにした…などと大仰に書くまでもなく、HSAを本来の用途で使っている人にとってはごく日常的な作業なのだろうが、筆者にとってデビューであることには変わりない。また、実際に作業してみたら事前には思い至らなかったような発見もいくつかあったので、それらも含めてメモとして残しておく。 More… »