Feb 07

毎年憂鬱かつ莫大な生産性の浪費であるtax returnの季節到来。複雑怪奇なアメリカ税制のためにこの時期はいつも新しいモヤモヤが発生し、おかげでblogのネタにも困らないのだが、さすがに10年近くも経験を積んでそろそろネタ切れになるかと思いきや、今年も新しいモヤモヤに遭遇した。州所得税の還付があると、条件によって、かつ漫然と処理すると翌年二重課税になり兼ねないというものである。
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Jul 15

筆者の勤め先は2015年から401(k)のemployer contribution(いわゆる”company match”)をはじめたのだが、本来もらえるはずのmatchのかなりの部分をもらい損ねていたことにごく最近気がついた。筆者の金融リテラシーが低いだけで、こんなことはもしかしたら常識なのかもしれないが、万一同じ罠にはまっている(あるいはこれからはまる)人が他にもいる場合のためにここに書いておくことにする。 More… »

May 06

以前のblog記事で書いたように、underpayment penaltyを回避するための俗に言う”safe harbor”入りするために、筆者は今年分の税金(来年春に申告)をかなり精密に見積もる必要がある。これには、収入の見積もりは当然のこととして、具体的な税金の計算に必要な、税率をはじめとする細かい諸制度の理解、控除可能な金額の見積もり(ここは甘くてもsafe harbor入りのためには問題ないが、その分ムダに源泉徴収を受けることになる)など、かなり多くの情報や調査が必要である。

先ごろ2015年の税金処理が終わって一段落したので、ようやくこの問題に対処する余裕ができた。いつものことながらまったく一筋縄ではいかなかったが、いろいろ調べたり計算したりして、なんとかそれらしい税金の見積もり額、またその税金に対するsafe harbor入りのために必要な源泉徴収額の調整分を計算し、その手配をするところまで完了した。以下はその内容の詳細に関するメモである。以下、年によって額が変わる数字については、とくに断りがない限り2016年分の税金で適用される値である。
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Apr 30

数年前に新板が出たのを機にA Random Walk Down Wall Streetを再読中(といっても最初に読んだのは2002年で、かなりの部分を忘れているが)。その13章に、株式の理論長期リターンを示す以下の公式が挙げられていた:

  長期リターン = 初期配当利回り + 配当成長率

一瞬まあそんなものかと思って読み流しそうになったのだが、少しよく考えてみるとどうしてこういう計算になるのかは(筆者には)どうも自明でない。一度気になりはじめると夜も眠れないので、まじめに調べたり自分で計算してみたりして、それなりに納得のいきそうな説明にたどり着いた。以下はその記録としてのメモ。 More… »

Apr 01

最近ちょっとした調べ物をしたついでに、以前からモヤモヤしたままだった「アメリカ永住権を保持しつつ日本で数年間働くような場合の税金において日米租税条約はどう適用されるのか」という疑問について、自分なりにかなりはっきりした答えを得ることができた。詳細はかなり複雑なのだが、短く言ってしまうと、「租税条約によりアメリカの税制上非居住者扱いとすることは可能だが、手間や永住権維持上のリスクの点からおそらく取れない選択。二重課税は他の手段である程度緩和できそうなものの、アメリカ源泉所得についてはかなりの二重取られを覚悟する必要あり」が答えである。

以下はその答えに至るまでの調査結果の詳細である。いつものことながら、あくまで筆者の素人理解をまとめただけであるため、内容が正しい保証はまったくない。もしこれを読む人がいても、その内容を鵜呑みにして特定の行動を取ったり取るのをやめたりすることのないようにお願いしたい。筆者自身も、もしここで問題としている状況になったとしたら今回の理解をもとにしつつも専門家に相談するだろうし、他の人にもそれをおすすめする。

以下本題: More… »

Mar 22

筆者はふだんほとんど資産の売却をしないので、過去7回のアメリカ確定申告(tax return)において、キャピタルゲインやロスを報告する必要はほとんどなかった。せいぜいRSUやESPP関連の売却が数件ある程度で、これらについては1099-Bの内容を手入力する手間も大したことがなかったので、tax returnにおけるこれらの事務作業上の問題をあまり意識する必要はなかった(ただしRSUESPPとも、blogに書いたようにIRS規定に由来する罠はある)。しかし、2015年にはいろいろな事情が重なってかなりの件数の売却が発生したため、キャピタルゲイン・ロスについてのtax returnでの報告方法について、TaxActの操作方法も含めた実務上の細かい問題にいろいろ直面することになった。この記事はその学習結果のまとめである。

とくに重要な点をまとめておくと、

  • 取得日(date acquired)が異なる同一銘柄を同じ日にまとめて売却した場合は合算報告可能。これで事務処理をかなり軽減できる(可能性がある)
  • BasisがIRSに報告済みで、その他の修正もない場合はForm 8949での報告自体不要。これも事務処理軽減の助けになる(ただしTaxActでの操作方法はやや謎)
  • 多数の売却データをまとめてTaxActに入力するのにはCSVフォームのアップロードが便利。証券会社によってはこの形でデータをダウンロードできる場合もあるので要確認

それにしても、(今回はやや特殊要因という事情ではあるのだが)アメリカのtax returnも8回目にもなろうというのに、いまだに新しい発見が出てくることには呆れるしかないという感じである…
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Feb 02

一つ前の記事においては本題ではなかったが、”nonfunctional”通貨を”functional”通貨に変換する(たとえば日本円を米ドルに替える)行為はCFR 1.988-1(a)(1)(i)の”disposition of nonfunctional currency”に相当するため、”section 988 transaction”であり、この両替の時点でexchange gain/lossが実現されて該当年の課税対象となる。たとえば、CFR 1.988-1(a)(6)Example 2には、カナダドルを米ドルに替える操作におけるカナダドルの”disposition”がsection 988 transactionであるという例が示されている。
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Feb 02

一週間ほど前にこのタイトルの件で書いた「追記」のblog記事では、実は一つモヤモヤした部分が残っていた。金融機関が作成することになっているForm 1099-Bのinstructionの規定を、(金融機関が外国に存在するため)1099-Bが発行されない場合の一般の納税者に適用してもいいのかということである。状況からすれば適用できるはずと考えるのが自然だと思うが(アメリカ国内なら1099-Bの発行は義務だとはいえ、その有無によって譲渡益の計算およびその課税方法が異なるのは不自然だから)、やはり微妙な気持ち悪さは残る。そこで、もっときちんと調べて、より根本的と思われる資料を発見し、この理解でよさそうだということを確認した。ついでに、前回やはりやや曖昧だった「スポットレート」の定義についても、もう少し具体的な規定を発見した。以下はその調査内容の詳細である。
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Jan 31

前回のblog記事の続報: 久しぶりに新生銀行のwebページを見たらこの件の情報が更新されていた。

送入金とも、昨年中に口座を開設済みの場合はいまのところマイナンバーを届け出なくても可能なようだ。ただし新規の送金先の登録にはマイナンバーの届け出が必要らしい。筆者はこの登録手続きは済ませているので、それを使う限りはしばらくは大丈夫といえそう。ただし、送入金ともに「お届出いただいていないお客さまには、後日、個人番号(マイナンバー)のお届出をお願いする予定です」という断り書きがあるので、さらに何ヶ月か経過すると既存口座でもマイナンバー届け出なしでの送入金ができなくなるのかもしれない。できればそれまでに「そもそもマイナンバーをもらえない人」を締め出さないような対応策が導入されてほしいものである…

Jan 25

以前このタイトルで書いたblog記事について、転載先のFI Planning掲示板で質問投稿があった。「ちなみに」として付記したアメリカ側での申告における為替レート計算方法の根拠についてである。

この部分は当該記事の本題でなかったこともあり、書いたときも出典まで調べずにさらっと流してしまったのだが、改めて質問されてみると、自分自身根拠が曖昧だったということに気がついた。以前似たような状況についてCPAに確認したことがあり、それをそのまま信じただけでIRSの資料まで確認していなかったようだ。ということで改めてちゃんと調べてみた(いつものことだが、調べた内容やその解釈が間違っている可能性は常にあるので、鵜呑みにされないようにお願いしたい)。
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